初動部隊の構成の仕方
「さて、前回の初心者向けWargame: Red Dragon(以下、Wargame: RD)チュートリアル攻略講座では、歩兵が戦車よりもコストパフォーマンスがはるかに良く、初動の陣地確保に向いていることをお話しました」
「今回は、初動部隊の構成についてお話したいと思います。マキさん、何か質問はありますか?」
「ねえ、ゆかりん。Wargame: RDって、ユニットの種類が多すぎて、そもそも何を出したらいいのかすら、わからないんだけど」
「Wargame: RDは自由度が高いので、最初に何をすればいいのか分からないという人も多いですよね。初めてプレイする初心者は誰でも同じような悩みを抱えています」
「ほんと、自由度が高すぎて、最初に何をしたらいいのか、さっぱりだよ!」
「初動部隊は、やみくもに構成してよいわけではなく、最低限、諸兵科連合を構成するようにユニットを選択するといいです」
「諸兵科連合って?」
「諸兵科連合は、Combined Arms(連合部隊)のことです」
「もう少しわかりやすくいうと、Wargame: RDの戦闘は……」
ジャンケンです
「ジャンケン?」
「Wargame: RDには、例えば、戦車は対空砲に強く、対空砲はヘリに強く、ヘリは戦車に強いという関係があります。これら戦車、対空砲、ヘリの間には、グー、チョキ、パーの関係があります」
ジャンケンとの類似性
戦車→対空砲→ヘリ→戦車→……
グー→チョキ→パー→グー→……
「それゆえ、Wargame: RDでは、どんなユニットにも必ずそのユニットに天敵となるユニットが存在します」
Wargame: RDの基本はジャンケン
↓
どんなユニットにも必ずその天敵となるユニットが存在する
「だから、どんなに強いユニット(最高級戦車)を出したとしても、その天敵となるユニット(ATGM攻撃機や攻撃ヘリ)を出されれば終わりです」
「そういう意味で、Wargame: RDには、最強のユニットというものは存在しません」
どんなユニットにも必ずその天敵となるユニットが存在する
↓
Wargame: RDに最強のユニットは存在しない
「要するに、どんなユニットにも、グー、チョキ、パーの関係があるんだね」
「ただ、Wargame: RDがジャンケンと異なる点は、ジャンケンが一度に1つの手しか出せないのに対し、Wargame: RDでは、同時に複数種類のユニットを出すことができるという点です」
ジャンケンとの違い1
ジャンケン:一度に1つの手しか出せない
↓
Wargame: RD:一度に複数種類のユニットを出すことができる
「また、Wargame: RDがジャンケンと異なるもう1つの点は、ジャンケンは手を出した瞬間に結果が決まるのに対し、Wargame: RDでは、ユニットを出してから前線に到着するまでの間にかなり長いタイムラグがあるという点です」
ジャンケンとの違い2
ジャンケン:手を出した瞬間に結果が決まる
↓
Wargame: RD:ユニットを出してから前線に到着するまでの間にかなり長いタイムラグがある
「長いって、どれだけ長いの? 30秒くらいかな?」
「どれだけ長いかというと、Wargame: RDの一番小さいマップTropic Thunderにおいて、時速110キロの戦車が脇き出し地点から前線まで到達するのに……」
約3分かかる
「……ほどです」
(↓)Wargame: RDの一番小さいマップTropic Thunderにおいて、時速110キロの戦車が脇き出し地点から前線まで到達するのに約3分かかります。
「嘘! 3分もかかるんだ! 補充部隊が来るまでそんなに長い時間かかるなんて! カップラーメンも余裕で食べられるじゃん!」
「このように、Wargame: RDでは、ユニットを呼び出してから前線に到着するまでの間のタイムラグがかなり長いため、前線に来た相手のユニットを実際に見てから対抗ユニットを出したのでは、到底間に合わないのです」
Wargame: RDでは、ユニットを呼び出してから前線に到着するまでの間のタイムラグがかなり長い
↓
前線に来た相手のユニットを見てから、対抗ユニットを出したのでは、到底間に合わない
「それゆえ、前線に到着したときにはじめてユニットが不足していることに気づいて、それから増援を呼んだとしても、ユニットの補充がないまま、長時間、敵の攻撃に耐え続けなければならない事態に陥ってしまいます」
「増援がないまま、3分間も耐えるなんて無理だよ〜!」
「それゆえ、初動では、相手がどんなユニットを出してきても対抗できるように……」
天敵となるユニットを一通り
揃えておくのが最も賢明な対応
「……といえますね」
初動では、相手がどんなユニットを出してきても対抗できるように、その天敵となるユニットを一通り揃えておく
「ジャンケンでいえば、グー、チョキ、パーの全ての手を揃えておけば、相手からどんな手を出されても対抗できるというわけだね」
「そういうことですね」
「でも、ゆかりん。Wargame: RDって、1470以上ものユニットの種類があるんでしょ? これだけ種類が多いと、相手のユニットに対してどのユニットを出したらいいのか分からないんだけど」
「いえ。そんなに難しく考える必要はありません。Wargame: RDってユニットの種類が多いといっても、大まかなパターンは限られています」
「大まかなパターン?」
「基本的には、偵察、対空、対歩兵、対装甲車両のように大ざっぱに分けて考えるといいです」
諸兵科連合の構成の仕方(以下の4つの役割をもったユニットが必ず含まれるようにする)
1.偵察
2.対空
3.対歩兵
4.対装甲車両
「これら4つの役割をもったユニットが必ず含まれるようにすれば、自動的に諸兵科連合を意識した部隊ができます」
「そんなに簡単なんだ。それじゃ、上の4つの役割に対応する4種類のユニットを用意すればいいんだね」
「いえ、必ずしも4種類のユニットを用意する必要はありません」
「そうなの?」
「なぜなら、1つのユニットが複数の役割を兼ね備えることもあるためです」
「例えば、スペツナズGRUは、1ユニットで、偵察、対歩兵、対装甲車両の3つの役割を兼ね備えています」
(↓)スペツナズGRUは、1ユニットで、偵察、対歩兵、対装甲車両の3つの役割を兼ね備えています。
「また、イギリス軍の特殊空挺部隊SASは、対空、対歩兵、対装甲車両の3つの役割を兼ね備えています」
(↓)イギリス軍の特殊空挺部隊SASは、対空、対歩兵、対装甲車両の3つの役割を兼ね備えています。
1つのユニットで複数の役割を兼ね備えたユニットも存在する
スペツナズGRU:偵察、対歩兵、対装甲車両の3つの役割を兼ね備える
SAS:対空、対歩兵、対装甲車両の3つの役割を兼ね備える
「この場合、例えば、対空とスペツナズGRU、あるいは偵察とSASというように、2種類のユニットを組み合わせるだけで、上の4つの役割をカバーする諸兵科連合を構成することが可能です」
「なるほど。たった2種類のユニットで諸兵科連合を組むことも可能なんだね」
「このような小規模な諸兵科連合からなる部隊は、敵の陣地に裏取り攻撃を仕かける場合において特に有用ですね」
「また、初動や裏取りに限らず、敵の陣地を攻めるときや防御陣地を固めるときなどにおいても、諸兵科連合を意識した部隊運用を常に心がけるといいです。これがWargame: RDにおいて、初心者を脱するための最低条件といえますね」
Wargame: RD:初心者を脱するための最低条件
初動に限らず、敵の陣地を攻めるときや防御陣地を固めるときなどにおいても、諸兵科連合を意識した部隊構成を常に心がける
「ここで、参考として、海外で定評の高いWargame: RDのガイド『200-Page Guide to Wargame: Red Dragon』から諸兵科連合の例を引用します」
(↓)SandyGunfox氏の『200-Page Guide to Wargame: Red Dragon』に挙げられた諸兵科連合の例。偵察、対空、対歩兵、対装甲車両の4種類の役割をもったユニットが全て揃っていることがわかります。
「ほんとだ。偵察、対空、対歩兵、対装甲車両の4種類の役割をもったユニットが全て揃っているね」
「このように、偵察、対空、対歩兵、対装甲車両の4つの役割をもったユニットをバランス良く組み合わせることにより、相手がどんなユニットを出したとしても対抗することが可能となります」
「また、上の例において、偵察ユニットなど、同じ役割をもったユニットが2つ以上揃えてある点にも注意してください」
「ほんとだ。でも、ゆかりん。偵察ユニットなんて1つあれば十分じゃないの?」
「マキさん、それは違います。偵察ユニットを1つしか出していなかったら、戦闘の最中にその偵察ユニットが失われたら、補充が来るまで何分間も偵察なしで戦わないといけないんですよ!」
「なるほど。ユニットが失われる事態を考えて、同じ役割をもったユニットを複数揃えておくのか」
「このように、Wargame: RDでは、諸兵科連合からなる部隊を構成することが勝利のカギとなるのです」
「以上で、今回の初心者向けWargame: Red Dragon攻略チュートリアルのまとめです」
まとめ
Wargame: RDでは、ユニットを呼び出してから前線に到着するまでの間のタイムラグがかなり長い
↓
初動では、相手がどんなユニットを出してきても対抗できるように、その天敵となるユニットを一通り揃えておく
↓
諸兵科連合を意識した部隊構成を常に心がける(以下の4つの役割をもったユニットが必ず含まれるようにする。また、同じ役割をもったユニットを複数入れておくことで、1つのユニットが失われる事態にも対処できる)
1.偵察
2.対空
3.対歩兵
4.対装甲車両