対空歩兵の配置の仕方
「みなさん、こんにちは。前回は、偵察歩兵の配置の仕方についてレクチャーしました」
「今回の初心者向けWargame: Red Dragon(以下、Wargame: RD)攻略チュートリアルでは、対空歩兵についてレクチャーしたいと思います」
「マキさん。何か質問はありますか?」
「ねえ、ゆかりん、対空歩兵って、どこに配置したらいいの?」
「それはいい質問ですね」
対空歩兵の配置の仕方
「対空歩兵を市街地に配置する場合は、下図のように市街地の後方か側方に配置するといいですね。対空歩兵は時速15kmと足が遅いので、前方に配置していると、敵に攻め込まれたとき逃げ切れないことがあるので」
「対空歩兵って、時速30kmの特殊部隊の半分しか移動速度がないんだね」
(↓)対空歩兵は足が遅く、敵に攻め込まれると兎跳び移動でも逃げ切れないため、一般歩兵の背後、市街地の後方か側方に配置するのが安全です。また、ミサイルの射程が敵のヘリに届かない場合は、必要に応じて前に移動させます。
「また、対空歩兵は対ヘリ射程が2000m以上もあるため、市街地の一番後方に配置しても、敵のヘリを十分に射程内に捉えることができます」
「でも、ゆかりん。偵察歩兵って、敵のヘリが見えているのに、ときどき撃たない場合がときどきあるよね。どうしてなんだろ?」
(↓)敵のヘリが見えているはずなのに、なぜか偵察歩兵が撃たない場合がときどきあります。
「Wargame: RDは1つ1つの建物や樹木等に当たり判定があるので、対空歩兵から敵のヘリに伸びる射線が建物や樹木等によって遮断されている場合は、他の部隊からそのヘリが見えていたとしてもミサイルを撃ちません」
「え! Wargame: RDって、1つ1つの建物や樹木等について射線が通る、通らないの判定があるんだ!」
「Wargame: RDはRTSなのに、その辺はFPSみたいに緻密に作られていますね」
Wargame: RDは1つ1つの建物や樹木等に当たり判定がある
↓
対空歩兵から敵のヘリに伸びる射線が建物や樹木等によって遮断されている場合は、他の部隊からそのヘリが見えていたとしてもミサイルを撃たない
「射線が建物や樹木等によって遮断されていたなんて……。そういう理由でミサイルを撃たなかったのね」
「でも、ゆかりん。そんなに当たり判定が細かいんだったら、どの位置から敵が見えるか見えないかって、実際に地上視点にしてみないと分からないんじゃないの?」
「いえ、そこまでする必要はないですよ。こういう場合、攻撃移動(アタックムーブ)コマンドを使うと便利です」
「攻撃移動コマンド?」
「左クリックで対空歩兵を選択した後、攻撃移動コマンド(デフォルトキーは“Q”)を押して、少し離れた場所を左クリックしてください」
「攻撃移動コマンドを使って移動したユニットは、移動中に敵ユニットを発見すると、自動的に停止してその敵ユニットを攻撃します」
(↓)対空歩兵が敵のヘリを撃たない場合、攻撃移動コマンド(デフォルトキーは“Q”)を押してから、少し離れた場所を左クリックします。攻撃移動コマンドを使って移動したユニットは、移動中に敵ユニットを発見すると、自動的に停止してその敵ユニットを攻撃します。
「このように、攻撃移動コマンドを使うと……」
敵が見える位置まで移動してから
敵を停止攻撃してくれる
「……ので便利ですよ」
攻撃移動(アタックムーブ)コマンド(デフォルトキー“Q”)
左クリックで対空歩兵を選択した後、攻撃移動コマンドを押して、移動先を左クリック
↓
敵が見える位置まで移動してから敵を停止攻撃する
「そんな便利な移動方法があったんだ。攻撃移動コマンドって便利だね」
「それだけではありません。Wargame: RDの地上ユニットは一般に、移動時のユニットの命中率は、静止時よりも大きく下がります」
「Wargame: RDにおいて、移動時のユニットの命中率は、ユニット情報パネルのスタビライザーの項目に示されています」
「例えば、PSAMの場合、89式小銃の命中率は、静止時には30%の命中率がありますが、移動時には15%まで命中率が半減してしまいます」
(↓)破線で囲まれたデータのうち、上側(精度)が静止時の命中率を示し、下側(スタビライザー)が移動時の命中率を示します。PSAMの89式小銃の場合、静止状態では30%の命中率がありますが、移動時には15%まで命中率が半減します。
「移動時には小銃の命中率が半減するんだ」
「だから、敵ユニットを攻撃するときは、なるべく静止してから攻撃したほうがいいですね」
「また、スタビライザーの項目に記載された命中率が0%あるいは命中率の記載がない場合は、そのユニットは移動中に全く攻撃することができません(『Wargame: Red Dragon Mechanics Manual』第18頁、項目6.7参照)」
(↓)PSAMの91式携帯地対空誘導弾の命中率は、静止時には70%もの命中率がありますが、スタビライザーの命中率の記載がないため、移動時には全く攻撃することができません。
「え! スタビライザーの記載のないユニットって、移動時に全く攻撃できないの!」
「なので、高速移動中の初動部隊が敵のヘリラッシュを受けたとき、スタビライザーの記載のない対空ユニットは一切反撃することなく壊滅してしまいます」
「だから、高速移動中に初動部隊が敵のヘリラッシュを受けたときは、ただちにこの攻撃移動コマンドを使って移動させることが何よりも重要になりますね」
・スタビライザーを有するユニットの移動時の命中率は、静止時よりも大きく下がる。
・スタビライザーの項目に記載された命中率が0%あるいは命中率の記載がない場合は、そのユニットは移動中に全く攻撃することができない。
↓
攻撃移動(アタックムーブ)コマンド(デフォルトキーは“Q”)を活用する。
・高速移動中に初動部隊が敵のヘリラッシュを受けたときは、ただちにこの攻撃移動コマンドを使って移動させると、停止してから敵のヘリを射撃するため、高い命中率で反撃できる。
・また、建物や樹木等で射線が通らず敵を攻撃しない場合も、攻撃移動コマンドを活用すれば、敵が見える位置まで移動してから停止攻撃する。
「なお、上図のように前進して偵察ヘリを撃墜した場合は、攻撃し終わった後、対空歩兵をそのまま放置せずに市街地の後方に戻しておいてください」
「対空歩兵は耐久力が2しかないので、最前線においたままだと敵の攻撃を受けた場合にひとたまりもないので」
「普段は通常歩兵の背後に対空歩兵をおいて守ってもらうんだね」
対空歩兵をスタックさせない理由
「ところで、ゆかりん。どうして対空歩兵をスタックさせずにバラバラに配置しているの?」
「これには2つの理由がありますね。1つは、複数の対空歩兵を広い領域に分散させることにより、幅広い領域をカバーできるようになるという点、もう1つは、一度の砲爆撃で全滅しにくくなるという点です」
「対空歩兵は、耐久力が2しかないため、敵に発見されると全滅する可能性が極めて高いです」
「また、下図のように複数の対空歩兵を分散配置することで、1つの対空歩兵がやられたとしても、増援で補充するまでの間、残りの対空歩兵で防空網を維持することができます」
(↓)対空歩兵を分散配置することで、幅広い領域をカバーすることができ、また、一度の砲爆撃で全滅しにくくなるため、防空網を維持しやすくなります。
「なるほど。対空歩兵をバラバラに配置するのにも理由があるんだね」
「また、偵察歩兵と同様に、対空歩兵も通常歩兵ほど頻繁に動かさないので、1スタックごと管理してもそれほど手間ではないという理由もあります」
対空歩兵を分散配置すると有利な理由
(1)複数の対空歩兵を広い領域に分散させることにより、幅広い領域をカバーできる
(2)対空歩兵は、耐久力が2しかないため、敵に発見されると全滅する可能性が極めて高い→複数の対空歩兵を分散配置させることによって防空網を維持しやすくする。
(3)対空歩兵は通常歩兵ほど頻繁に動かさないので、1スタックごと管理してもそれほど手間ではない
対空歩兵の理想的なスタック数
「それじゃ、ゆかりん。対空歩兵も偵察歩兵と同様に、スタックさせずにバラバラに配置したほうがいいんだね」
「いえ、火力面からみれば、対空歩兵をスタックさせるメリットもないわけではありません」
「火力面?」
「例えば、PSAMのHEパワーは5であり、装甲値1までの敵に与えるダメージ=HEパワーなので、1スタックのみだと、敵のヘリを一撃で撃破できないという欠点があります」
装甲値1までの敵に与えるダメージ=HEパワー
↓
HEパワー5のPSAMは、敵のヘリに対し一度にダメージ5しか与えることができず、撃墜には最低2発のミサイルを命中させる必要がある。
「だから、対空歩兵を2スタックにすることで、耐久力10までのヘリを一度に粉砕できる可能性を高めることができます」
「すると、火力面では、対空歩兵をなるべくスタックさせたほうが有利なの?」
「いえ、そうでもありません。3スタック以上にすると、逆にオーバーキルになって貴重なミサイルの無駄遣いが生じるおそれがあります」
「また、対空歩兵は敵にとってもかなりの驚異なので……」
あまりにも多くスタックしすぎると、敵の集中砲火を招く
「……おそれもあります」
「なので、対空歩兵は1〜2スタックが理想的だと思います」
対空歩兵は1〜2スタックが理想的
(1)対空歩兵を2スタックにすることで、耐久力10までのヘリを一度に粉砕できる可能性が高まる
(2)対空歩兵を3スタック以上にすると、逆にオーバーキルになって貴重なミサイルの無駄遣いが生じるだけでなく、敵の集中砲火を招くおそれもある
「実際、『200-Page Guide to Wargame: Red Dragon』に紹介された配置の例を見ても、2スタックの対空歩兵が配置されていることがわかります」
(↓)『200-Page Guide』で紹介された市街地の配置の一例。市街地の左右両側にそれぞれ1スタックの偵察歩兵と2スタックの対空歩兵が配置されていることがわかります。
「なお、SandyGunfox氏は『200-Page Guide』において、対空歩兵は任意ではなく、必要不可欠な必需品だと述べています」
「そうなんだ」
「SandyGunfox氏は、対空歩兵の配置について、次のように述べています」
対空歩兵(MANPADS)の配置についてのSandyGunfox氏の言葉
私は、前線の背後で敵の航空機が比較的安全に行動できる場所がなくなるように、マップの至る所、特に遊離した建物や、山頂にMANPADSを配置しておくのがとても好きだ。
また、MANPADSは、ヘリラッシュを阻止することにも優れており、マップの端に配置することによって、あなたの前線を通り過ぎてヘリが潜入しようとすることも阻止する。
さらに、私はいつもCV(コマンド車両)の近くにMANPADSを1つ配置するように努めている。
「そして、SandyGunfox氏は、対空歩兵を次のように要約しています」
対空歩兵は安価な保険だ
「対空歩兵って、コストパフォーマンスがいいんだね」
「対空歩兵は、わずか10円〜20円台で100円台のヘリや200円の戦闘機を落とせるポテンシャルを有しています。だから、対空歩兵をデッキに入れないのは、むしろ損だと思います」
「それじゃ、あたしも今度からデッキに対空歩兵を入れるよ!」
「というわけで、今回の初心者向けWargame: RD攻略チュートリアルのまとめです。みなさん、お疲れ様でした」
まとめ
Wargame: RDは1つ1つの建物や樹木等に当たり判定がある
↓
対空歩兵から敵のヘリに伸びる射線が建物や樹木等によって遮断されている場合は、他の部隊からそのヘリが見えていたとしてもミサイルを撃たない
攻撃移動(アタックムーブ)コマンド(デフォルトキー“Q”)
左クリックで対空歩兵を選択した後、攻撃移動コマンドを押して、移動先を左クリック
↓
敵が見える位置まで移動してから敵を停止攻撃する
・スタビライザーを有するユニットの移動時の命中率は、静止時よりも大きく下がる。
・スタビライザーの項目に記載された命中率が0%あるいは命中率の記載がない場合は、そのユニットは移動中に全く攻撃することができない。
↓
攻撃移動(アタックムーブ)コマンド(デフォルトキーは“Q”)を活用する。
・高速移動中に初動部隊が敵のヘリラッシュを受けたときは、ただちにこの攻撃移動コマンドを使って移動させると、停止してから敵のヘリを射撃するため、高い命中率で反撃できる。
・また、建物や樹木等で射線が通らず敵を攻撃しない場合も、攻撃移動コマンドを活用すれば、敵が見える位置まで移動してから停止攻撃する。
対空歩兵を分散配置すると有利な理由
(1)複数の対空歩兵を広い領域に分散させることにより、幅広い領域をカバーできる
(2)対空歩兵は、耐久力が2しかないため、敵に発見されると全滅する可能性が極めて高い→複数の対空歩兵を分散配置させることによって防空網を維持しやすくする。
(3)対空歩兵は通常歩兵ほど頻繁に動かさないので、1スタックごと管理してもそれほど手間ではない
装甲値1までの敵に与えるダメージ=HEパワー
↓
HEパワー5のPSAMは、敵のヘリに対し一度にダメージ5しか与えることができず、撃墜には最低2発のミサイルを命中させる必要がある。
対空歩兵は1〜2スタックが理想的
(1)対空歩兵を2スタックにすることで、耐久力10までのヘリを一度に粉砕できる可能性が高まる
(2)対空歩兵を3スタック以上にすると、逆にオーバーキルになって貴重なミサイルの無駄遣いが生じるだけでなく、敵の集中砲火を招くおそれもある
対空歩兵(MANPADS)の配置についてのSandyGunfox氏の言葉
私は、前線の背後で敵の航空機が比較的安全に行動できる場所がなくなるように、マップの至る所、特に遊離した建物や、山頂にMANPADSを配置しておくのがとても好きだ。
また、MANPADSは、ヘリラッシュを阻止することにも優れており、マップの端に配置することによって、あなたの前線を通り過ぎてヘリが潜入しようとすることも阻止する。
さらに、私はいつもCV(コマンド車両)の近くにMANPADSを1つ配置するように努めている。
対空歩兵は安価な保険だ