適切なスタック数の決定のための10の目安
「皆さんこんにちは、前回は対空ユニットの配置の仕方についてレクチャーしました」
「今回の初心者向けWargame: Red Dragon(以下、Wargame: RD)攻略チュートリアルでは、引き続きユニットの配置の仕方についてレクチャーしたいと思います」
「マキさん、何か質問はありますか?」
「ねえ、ゆかりん。ユニットの最適なスタック数って、どうやって決めるの?」
「それはいい質問ですね」
スタックのメリットとデメリット
「海外のWargamerのバイブル『200-Page Guide to Wargame: Red Dragon』の著者のSandyGunfox氏は、ユニットのスタックについて、次のように述べています」
グループ内のユニットは、1ユニットのように一緒に移動し、命令に従う。それゆえ、ユニットの管理が容易になるが、戦術的柔軟性も制限してしまう。あなたは2つのグループに命令するのと同じように、1つのグループに異なる2つの目標を攻撃するように命令することができない。
1つのグループは一度に1つの敵グループしか目標にできないため、これは特に、一般に非常に限られた弾薬しかもたず、目標の破壊に多くの射撃を必要としないATGMとSAM車両に問題となる
「SandyGunfox氏が述べるように、スタックされた複数のユニットは、1ユニットのように移動し攻撃指示を与えることができるので、操作量が減って管理しやすくなるというメリットがあります」
「一方……」
スタックされた複数ユニットは、一度に1つの目標(スタック)しか攻撃指示できない
「……ので、柔軟な運用ができなくなります」
「また、スタックしすぎると、しばしばオーバーキルになって弾薬の無駄遣いが生じやすいというデメリットもあります」
スタックのメリット
スタックされた複数のユニットは、1ユニットのように移動し攻撃指示を与えることができるので、操作量が減って管理しやすくなる
スタックのデメリット
スタックされた複数ユニットは、一度に1つの目標(スタック)しか攻撃指示できなくなるので、柔軟な運用ができなくなるだけでなく、しばしばオーバーキルになって弾薬の無駄遣いが生じやすい
適切なスタック数の決定のための10の目安
「そうすると、ゆかりん、結局スタック数って多いほうがいいの? それともユニットをスタックさせないほうがいいの?」
「結論からいえば、操作量に問題ががなければ、ユニットをスタックさせずにバラして運用するのがもっとも効率がいいですね。これは、Wargame: RDに限らず、全てのRTSに共通の原則です」
(1)操作量に問題ががなければ、ユニットをスタックさせずにバラして運用するのがもっとも効率がいい(全てのRTSに共通の原則)
「でも、それって、操作量に自信がある上級者に限られるんじゃないの? すべてのユニットをバラして運用するなんて、初心者には到底無理よ!」
「操作量に問題があるようなら、管理のしやすさを考慮してユニットをスタックさせたほうがいいかもしれませんね。SandyGunfox氏は……」
2つのユニットからなるスタックが
比較的操作しやすくて扱いやすい
「……と述べています」
(2)操作量に問題がある場合は、管理のしやすさを考慮してユニットをスタックさせる。2つのユニットからなるスタックが比較的操作しやすく扱いやすい。
「2スタックで運用すると管理しやすくていいのね」
「基本はそうですが、中にはスタックさせずに個別に運用したほうがいいユニットもあります」
「例えば、どんなユニットなの?」
「例えば、最高級戦車などの高価なユニットは、単独でも攻撃力が十分に高いので、スタックさせるとオーバーキルになることが多いです」
「また、高価なユニットは敵の集中攻撃を受けやすいので、基本スタックさせずに個別に運用したほうがいいと思います」
最高級戦車などの高価なユニット
(1)単独でも攻撃力が十分に高いので、スタックさせるとオーバーキルになることが多い
(2)敵の集中攻撃を受けやすい
↓
基本スタックさせずに個別に運用したほうがいい
「また、攻撃ヘリのように高価なわりに防御力がなくて脆いユニットも、細かい管理が必要となるのでスタックさせずに個別に運用したほうがいいです」
「あと、同じ指揮ゾーン内に2つのコマンドユニットを配置しても何のメリットもないので、コマンドユニットもスタックさせる必要はありません」
(3)スタックさせずに個別に運用したほうがいいユニット
最高級戦車のような高価かつ重要なユニット、攻撃ヘリのように高価なわりに防御力がなくて脆いユニット、コマンドユニット
「なるほど……」
高価で重要なユニットは
個別に運用したほうがいい
「……ということね」
「そうですね。また、偵察ユニットも、視界を最大限に活かしたいのなら、スタックさせずに個別に運用したほうがいいです。ただし、偵察ユニットを視界のよい戦闘ユニットとして運用するならこの限りではありませんが」
(4)偵察ユニットは、視界を最大限に活かしたいのなら、スタックさせずに個別に運用する。ただし、偵察ユニットを視界のよい戦闘ユニットとして運用するならこの限りではない。
「その話は以前、偵察ユニットの配置の仕方でも聴いたわね」
「また、主戦線から離れた僻地での防衛用のユニットや裏取り警戒用のユニットなど……」
放置プレイの多いユニットは個別に運用しても手間がかかりません
「また、ユニットを広い範囲に分散させたほうが幅広い領域をカバーできるため、裏取り警戒用のユニットは、ユニットをスタックさせずに個別に運用したほうがいいです」
「逆に、主戦線の戦闘ユニットは、操作量が多くなるので、スタックさせたほうが管理しやすいですね」
(5)主戦線から離れた僻地での防衛用のユニットや裏取り警戒用のユニットなど、放置プレイの多いユニットは個別に運用しても手間がかからない。また、ユニットを広い範囲に分散させたほうが幅広い領域をカバーできるため、スタックさせずに個別に運用したほうがいい。
一方、主戦線の戦闘ユニットは、操作量が多くなるので、スタックさせたほうが管理しやすい。
「なるほど。放置プレイが多い場所か否かによってもスタック数が変わるんだね」
「そうですね。そもそも……」
ユニットをスタックさせる目的はユニットを管理しやすくするため
「……ですよね」
「そうだね」
「その趣旨から考えれば……」
管理が不要な放置プレイの多いユニットをスタックさせる必要はない
「……と思います」
「なるほど、趣旨から考えるのね」
「また、敵が大量のユニットでラッシュをかけてきたときは、基本スタックさせずにバラして運用したほうがいいです」
「どうしてなの?」
「というのも……」
スタックさせたユニットは一度に複数の目標を攻撃指示できないため、ラッシュの対応には不向き
「……だからです」
「一方、ユニットをスタックさせずにバラして運用することで、なるべく多くの敵ユニットにダメージを与えてスタンさせることができます」
「なるほど。バラして運用することによって、攻撃指示が細かく指定できるというわけね」
「また……」
スタックされたユニットは移動中に1つにまとまる傾向があります
「それゆえ、スタックされたユニットは、個別のユニットと違って自由に移動できないため……」
建物や森の木々などの遮蔽物に視界が遮られて攻撃しなくなるユニットも出てきます
「え! スタックさせると攻撃しなくなるユニットが出てくるってマジ!?」
「そのような報告があちこちで寄せられているそうです」
「全然知らなかったわ……」
「また、敵のヘリラッシュを受けた場合は、一度のロケット攻撃で複数のユニットが共倒れになるのを回避するため、やはりバラして運用したほうがいいですね」
(6)敵が大量のユニットでラッシュをかけてきたときは、なるべく多くのユニットにダメージを与えてスタンさせるため、基本スタックさせずにバラして運用したほうがいい。また、スタックさせたユニットは一度に複数の目標を攻撃できないため、ラッシュの対応には不向き。
「ラッシュの対応はバラしたほうがいいんだね」
「なお、ゲーム画面左上の配備メニュー上で所望のユニットをクリックした後、Shiftキーを同時に押しながらマップ上の所望の位置を左クリックすることで、同一のユニットをコピーしながら複数配置することができます」
(↓)ゲーム画面左上の配備メニュー上で所望のユニットをクリックした後、Shiftキーを同時に押しながらマップ上を左クリックすることで、同一のユニットをコピーしながら複数配置することができます。
(↓)また、配備メニュー上で所望のユニットを2回クリックした後、Shiftキーを同時に押しながらマップ上の所望の位置を左クリックすると、2スタックの同一のユニットをコピーしながら複数配置することができます。3スタック以上の場合も同様です。
「この方法を使えば、いちいち配備メニューに戻らなくても複数の同一ユニットをマップの各場所に素早く配置できるので、ラッシュ時の対応には便利ですね」
「そんな便利な配置方法もあるんだね」
「一方、森林内の車両や市街地の歩兵など、敵から視認しにくい環境で運用するのなら、3〜4スタックで運用してもいいです」
「特に、市街地内の歩兵は、1区画内に4スタックの歩兵が収まり、隣の区画への瞬間(兎跳び)移動により砲爆撃を余裕で回避できるので、4スタックで運用するメリットが大きいですね」
(7)森林内の車両や市街地の歩兵など、敵から視認しにくい環境で運用するのなら、3〜4スタックで運用してもいい。特に、市街地内の歩兵は、1区画内に4スタックの歩兵が収まり、隣の区画への瞬間(兎跳び)移動により砲爆撃を余裕で回避できるので、4スタックで運用するメリットが大きい。
「市街地や森林内は敵に見つかりにくいからスタックさせるのもありということね」
「ただし、3〜4スタックで運用する場合、オーバーキルにならない程度にユニットをスタックさせるといいです」
「砲撃ユニットや対空ユニット、ATGMユニットはオーバーキルになりやすく、また弾薬やミサイルを消耗しやすいので、過度にスタックさせないほうがいいですね」
(8)オーバーキルにならない程度にユニットをスタックさせる。砲撃ユニットや対空ユニット、ATGMユニットはオーバーキルになりやすく、また弾薬やミサイルを消耗しやすいので、過度にスタックさせないほうがいい。
「なお、ユニットをスタックさせずに、グループ化でまとめて管理するプレイヤーもいます」
「グループ化?」
「左ドラッグまたはShiftキー+左クリックで複数のユニットからなるグループを選択した後、Ctrl+数字キー(0〜9)を入力することによって、特定のユニットのグループに数字キーを割り当てることができます」
「このようにすれば、登録した数字キーを押すだけでその数字キーに割り当てられたグループを瞬時に呼び出すことができます」
ユニットのグループ化の手順
(1)ユニットの登録方法
左ドラッグまたはShiftキー+左クリックで複数のユニットからなるグループを選択した後、Ctrl+数字キー(0〜9)を入力することによって、特定のユニットのグループに数字キーを割り当てる
(なお、既存のグループにユニットを追加する場合は、Shift+Ctrl+数字キーを入力)
↓
(2)ユニットの呼び出し方法
登録した数字キーを押すだけでその数字キーに割り当てられたグループを瞬時に呼び出すことができる
「例えば、複数の砲撃ユニットからなるグループに数字キーを割り当て、数字キーでグループを呼び出して砲撃や陣地転換を指示することで……」
砲撃ユニットをスタックさせずにバラした
まま、まとめて運用することもできます
「この方法は、特に、砲撃ユニットや対空ユニットなどのユニットに使えますね」
(9)ユニットをスタックさせずに、グループ化でまとめて管理するプレイヤーもいる。
例えば、複数の砲撃ユニットからなるグループに数字キーを割り当て、数字キーでグループを呼び出して砲撃や陣地転換を指示することで、砲撃ユニットをスタックさせずにバラしたまま、まとめて運用することもできる。
「マルチ戦で4個の砲撃ユニットをスタックさせずにバラしたまま器用に操作している外人プレイヤーがいて、ビックリしたことがあったけど、グループ化で運用していたのね。ようやく謎が解けたわ」
「最後に、相手のスタック数に応じて、こちらのスタック数を決めるとよい場合もあります」
「例えば、相手が4スタックの歩兵を投入してきた場合、こちらが2スタックの歩兵だと、一方的に撃ち負けるおそれがあります」
「また、AI戦の場合は、AIが4スタックの戦車を投入してくることが多いので、こちらも4スタックの歩兵や戦車で対抗したほうがいい場合もありますね」
「一方、マルチ戦においては、『200-Page Guide』の影響なのか、2スタックのユニットで運用する外人プレイヤーが多いので、敵に撃ち勝つために、3〜4スタックのユニットで対抗するのも有効です」
「それゆえ、必ず2スタックで運用しないといけないわけではなく……」
相手のスタック数や状況に応じて臨機応変に対処するのがベスト
「……ですね」
(10)相手のスタック数に応じて、こちらのスタック数を決めるとよい場合もある。例えば、相手が4スタックの戦車を投入してきた場合、こちらが2スタックの戦車だと、一方的に撃ち負けるおそれがある。
状況に応じて臨機応変に対処するのがベスト。
「以上が、適切なスタック数の決定のための10の目安でした」
「というわけで、今回の初心者向けWargame: RD攻略チュートリアルのまとめです。みなさんお疲れさまでした」
まとめ
グループ内のユニットは、1ユニットのように一緒に移動し、命令に従う。それゆえ、ユニットの管理が容易になるが、戦術的柔軟性も制限してしまう。あなたは2つのグループに命令するのと同じように、1つのグループに異なる2つの目標を攻撃するように命令することができない。
1つのグループは一度に1つの敵グループしか目標にできないため、これは特に、一般に非常に限られた弾薬しかもたず、目標の破壊に多くの射撃を必要としないATGMとSAM車両に問題となる
スタックのメリット
スタックされた複数のユニットは、1ユニットのように移動し攻撃指示を与えることができるので、操作量が減って管理しやすくなる
スタックのデメリット
スタックされた複数ユニットは、一度に1つの目標(スタック)しか攻撃できなくなるので、柔軟な運用ができなくなるだけでなく、しばしばオーバーキルになって弾薬の無駄遣いが生じやすい
適切なスタック数の決定のための10の目安
(1)操作量に問題ががなければ、ユニットをスタックさせずにバラして運用するのがもっとも効率がいい(全てのRTSに共通の原則)
(2)操作量に問題がある場合は、管理のしやすさを考慮してユニットをスタックさせる。2つのユニットからなるスタックが
比較的操作しやすく扱いやすい。マルチ戦においては、『200-Page Guide』の影響なのか、2スタックで運用する外人プレイヤーが多いため、撃ち負けることもない。
(3)スタックさせずに個別に運用したほうがいいユニット
最高級戦車のような高価かつ重要なユニット、攻撃ヘリのように高価なわりに防御力がなくて脆いユニット、コマンドユニット
(4)偵察ユニットは、視界を最大限に活かしたいのなら、スタックさせずに個別に運用する。ただし、偵察ユニットを視界のよい戦闘ユニットとして運用するならこの限りではない。
(5)主戦線から離れた僻地での防衛用のユニットや裏取り警戒用のユニットなど、放置プレイの多いユニットは個別に運用しても手間がかからない。また、ユニットを広い範囲に分散させたほうが幅広い領域をカバーできるため、スタックさせずに個別に運用したほうがいい。
一方、主戦線の戦闘ユニットは、操作量が多くなるので、スタックさせたほうが管理しやすい。
(6)敵が大量のユニットでラッシュをかけてきたときは、なるべく多くのユニットにダメージを与えてスタンさせるため、基本スタックさせずにバラして運用したほうがいい。スタックさせたユニットは一度に複数の目標を攻撃できないため、ラッシュ対策には不向き。
(7)森林内の車両や市街地の歩兵など、敵から視認しにくい環境で運用するのなら、3〜4スタックで運用するのもあり。特に、市街地内の歩兵は、1区画内に4スタックの歩兵が収まり、隣の区画への瞬間(兎跳び)移動により砲爆撃を余裕で回避できるので、4スタックで運用するメリットが大きい。
(8)オーバーキルにならない程度にユニットをスタックさせる。砲撃ユニットや対空ユニット、ATGMユニットはオーバーキルになりやすく、また弾薬やミサイルを消耗しやすいので、過度にスタックさせないほうがいい。
(9)ユニットをスタックさせずに、グループ化でまとめて管理するプレイヤーもいる。
例えば、複数の砲撃ユニットからなるグループに数字キーを割り当て、数字キーでグループを呼び出して砲撃や陣地転換を指示することで、砲撃ユニットをスタックさせずにバラしたまま、まとめて運用することもできる。
(10)相手のスタック数に応じて、こちらのスタック数を決めるとよい場合もある。例えば、相手が4スタックの戦車を投入してきた場合、こちらが2スタックの戦車だと、一方的に撃ち負けるおそれがある。
状況に応じて臨機応変に対処するのがベスト。
最高級戦車などの高価なユニット
(1)単独でも攻撃力が十分に高いので、スタックさせるとオーバーキルになることが多い
(2)敵の集中攻撃を受けやすい
↓
基本スタックさせずに個別に運用したほうがいい
ユニットのグループ化
ユニットの登録方法
左ドラッグまたはShiftキー+左クリックで複数のユニットからなるグループを選択した後、Ctrl+数字キー(0〜1)を入力することによって、特定のユニットのグループに数字キーを割り当てる
↓
ユニットの呼び出し方法
登録した数字キーを押すだけでその数字キーに割り当てられたグループを瞬時に呼び出すことができる