航空機の生還率を高める方法その2
「皆さん、こんにちは。結月ゆかりです。前回は航空機の生還率を高める方法についてレクチャーしました」
「今回の初心者向けWargame: Red Dragon(以下、Wargame: RD)攻略チュートリアルでは、ひきつづき航空機の生還率を高める方法についてレクチャーしたいと思います」
「マキさん、何か質問はありますか?」
「ねえ、ゆかりん……」
「マキさん、深刻な顔をしてどうしたんですか!」
「あたしの航空機、前線に送り込むと必ず還ってこないのよ……」
「それは、初心者によくある悩みですね」
「どうすればいいの?」
「そうですね。初心者のうちは……」
自陣に突出してきた敵部隊を叩くためだけに航空機を使用する
「……ことをお勧めします」
「それって、航空機を攻めに使うなってこと?」
「いえ、航空機を攻めに使うなということではなく、正しくは……」
偵察で明らかにされてない場所の攻撃に航空機を使用すべきでない
「……といったほうがよいかもしれませんね」
「なので……」
敵陣に攻め込んだ地上部隊をサポートするように運用するなら、航空機を攻めに用いても全然問題ありません
「つまり、地上部隊を先行させて視界を確保できるなら、航空機を攻めに用いても問題ないというわけね」
「そうですね」
「ただ、地上部隊と航空機との協働は操作量が多くなるので、航空機を攻めに用いる方法は初心者にお勧めできません。なので、初心者のうちは、自陣に突出してきた敵部隊を叩くためだけに航空機を使用するのに専念したほうがいいと思います」
偵察で明らかにされてない場所の攻撃に航空機を使用すべきでない
↓
地上部隊を先行させて視界を確保できるなら、航空機を攻めに用いても問題ない
地上部隊と航空機との協働は操作量が多くなる
↓
初心者のうちは、自陣に突出してきた敵部隊を叩くためだけに航空機を使用するのに専念したほうがいい
「また、攻撃機であれ、爆撃機であれ、航空機は目標を攻撃する際に目標までの直線ルートをまっすぐ飛行するという性質があります」
「それゆえ……」
後方から前線に航空機を呼び出した場合、航空機は目標の攻撃後、そのまま真っ直ぐ敵陣の奥深くに突っ込んでしまう傾向があります
「この問題について、海外のWargamerのバイブル『200-Page Guide to Wargame: Red Dragon』の著者のSandyGunfox氏は、次のような図を用いて説明しています」
(↓)航空機の攻撃ルートの説明。『200-Page Guide』から引用。
「上の図において、敵の陣地を攻撃するため、後方から直接、航空機を呼び出した場合、航空機は、矢印1の経路に沿って飛行します」
「それゆえ、矢印1の経路に沿って飛ぶ航空機は、目標を攻撃した後、そのまま敵の防空網の中に突っ込んでいきます」
(↓)矢印1の経路に沿って飛ぶ航空機は、目標を攻撃した後、そのまま敵の防空網の中に突っ込んでいきます。
「実例を見てみましょう。下図は、F-86F旭光を後方からまっすぐに呼び出した場合を示しています。目標を攻撃した後、F-86Fはすぐに旋回を開始しますが、旋回しきれずに大抵敵の防空網に突っ込んでいきます」
(↓)後方から直接、F-86F旭光を呼び出した場合、航空機は目標を攻撃した後、そのまま敵陣に突っ込んでいきます。
(↓)目標を攻撃した後、航空機はすぐに旋回を開始しますが、F-86Fのように旋回半径の大きな航空機は、旋回しきれずに大抵敵の防空網に突っ込んでいきます。
(↓)敵の防空網に突っ込み、集中砲火を浴びる航空機。これが航空機の運用で初心者が失敗する一番の原因です。
「まさしく、飛んで火に入る夏の虫ってわけね……」
「だから、初心者の扱う航空機はカモなんですね」
「カモって……」
「また、敵が迎撃機で迎撃してきた場合、矢印1の経路に沿って飛ぶ航空機は、迎撃機との会敵時間も早くなることになります」
「敵陣にまっすぐ向かっていくから当然よね……」
「さらに、矢印1の経路に沿って飛ぶ航空機は、敵の防衛ラインを横切るように攻撃・爆撃するため、一度の飛行で多くの目標にダメージを与えることができません」
「正面から攻撃するルートって、何もいいことないじゃん……」
敵陣を正面から攻撃した場合のデメリット
(1)航空機は、目標を攻撃した後、そのまま敵の防空網の中に突っ込んでいく
(2)敵の迎撃機との会敵時間も早くなる
(3)敵の防衛ラインを横切るように攻撃・爆撃するため、一度の飛行で多くの目標にダメージを与えることができない。
「なるほど、敵陣に突っ込むように航空機をまっすぐ飛ばしていたのが原因だったのね……。道理であたしの航空機って、撃墜されやすかったのね……」
「一方、後方から直接、航空機を呼び出さず、いったんマップの左右いずれかの地点を右クリックで指定した後、Shiftキーを押しながら目標に攻撃指示を出すと、航空機は、矢印2の経路に沿って飛行します」
「このように敵陣の側面から飛行するように攻撃ルートを指定することで、攻撃後、敵の防空網の中に突っ込むことなく、ただちに旋回して味方の領域上に退避するため、敵の対空ユニットに撃墜されるリスクをかなり抑えることができます」
「また、ATGM攻撃機の場合、このように敵陣の側面から攻撃することで、敵の戦車の厚い前面装甲ではなく、薄い側面装甲を攻撃することが可能となります」
(↓)敵陣の側面から飛行するように攻撃ルートを指定することで、攻撃後、敵の防空網の中に突っ込むことなく、ただちに旋回して味方の領域上に退避します。また、ATGM攻撃機の場合、このように敵陣の側面から攻撃することで、敵の戦車の厚い前面装甲ではなく、薄い側面装甲を攻撃することが可能となります。
「さらに、多数のミサイルや爆弾を搭載した攻撃機・爆撃機で攻撃するとき、敵の防衛ラインに沿って攻撃・爆撃することで、一度の飛行でより多くの目標にダメージを与えることが可能となります」
敵陣を正面からでなく、側面から攻撃した場合のメリット
(1)攻撃後、敵の防空網の中に突っ込むことなく、ただちに旋回して味方の領域上に退避するため、敵の対空ユニットに撃墜されるリスクをかなり抑えることができる
(2)敵の戦車の厚い前面装甲ではなく、薄い側面装甲を攻撃することが可能となる
(3)敵の防衛ラインに沿って攻撃・爆撃することで、一度の飛行でより多くの目標にダメージを与えることが可能となる
「なるほど。敵陣を正面からでなく側面から攻撃するだけで、これだけたくさんのメリットがあるわけね」
「そうですね……」
攻撃のコツは敵陣の前面をなでるように航空機を旋回させる
「……ことです」
「このコツをつかめれば、航空機の生還率が劇的に高まりますよ!」
「攻撃前の右クリック一つで、航空機の生還率が劇的に高まるなんて知らなかったわ……」
「なお、航空機の旋回半径は、航空機の種類によって異なるので、どの場所を右クリックすれば、敵陣の側面から飛行できるようになるか、事前に一人スカーミッシュでの練習で確かめるといいですね」
「旋回半径の大きな航空機で急な角度の移動指示をすると、滑らかな円を描くように旋回せず、何度も無駄な旋回を繰り返してしまうおそれがありますから気をつけてください」
「航空機の旋回特性を知らずに、ぶっつけ本番で飛ばすと失敗するということね」
「また、意外と知られていませんが……」
航空機はマップの外側の黒い領域を飛ぶこともできる
「……んですよ」
「え! マップの外側の黒い領域を飛ぶことができるって、マジ!?」
「マップの外側の黒い領域を飛行することにより、敵の防空網を迂回して、敵の本陣に爆撃機を潜入させることができます」
(↓)航空機はマップ上だけでなく、マップの外側の黒い領域を右クリックして飛行することもできます。敵の防空網を迂回して、敵の本陣に爆撃機を潜入させるのに有効です。
「このテクニックを活用すれば、敵の対空網に一切ひっかかることなく、敵の本陣にあるコマンドユニットを破壊することはもちろん、ノーダメージで敵の船を沈めることもできます」
「マップ外の黒い領域を飛べるなんて、そんなチートみたいな移動方法があったなんて、全然知らなかったわ……」
「また、なるべくECMの高い航空機を飛ばすようにすると、敵のミサイルに撃墜されにくくなります。それゆえ、初心者のうちはECMの高い航空機を飛ばすように心がけるといいかもしれませんね」
ECM(Electric Counter Measures。電子妨害装置):
航空機への命中精度に与える補正値であり、ECMの数値(%)が高ければ高いほど、ミサイル・機関砲の回避率が高まる
航空機に対する命中率の計算式
命中率=基本精度×(1+練度補正)×(1-ECM)
(↓)ECM40%のF-15Jは、ECM10%のF-4EJより30%もミサイル・機関砲の命中率が下がります。
「ECMの高い航空機を使えば、ばっちりね!」
「というわけで、今回の初心者向けWargame: RD攻略チュートリアルのまとめです。みなさん、お疲れ様でした」
まとめ
偵察で明らかにされてない場所の攻撃に航空機を使用すべきでない
↓
地上部隊を先行させて視界を確保できるなら、航空機を攻めに用いても問題ない
地上部隊と航空機との協働は操作量が多くなる
↓
初心者のうちは、自陣に突出してきた敵部隊を叩くためだけに航空機を使用するのに専念したほうがいい
敵陣を正面から攻撃した場合のデメリット
(1)航空機は、目標を攻撃した後、そのまま敵の防空網の中に突っ込んでいく
(2)敵の迎撃機との会敵時間も早くなる
(3)敵の防衛ラインを横切るように攻撃・爆撃するため、一度の飛行で多くの目標にダメージを与えることができない。
敵陣を正面からでなく、側面から攻撃した場合のメリット
(1)攻撃後、敵の防空網の中に突っ込むことなく、ただちに旋回して味方の領域上に退避するため、敵の対空ユニットに撃墜されるリスクをかなり抑えることができる
(2)敵の戦車の厚い前面装甲ではなく、薄い側面装甲を攻撃することが可能となる
(3)敵の防衛ラインに沿って攻撃・爆撃することで、一度の飛行でより多くの目標にダメージを与えることが可能となる
ECM(Electric Counter Measures。電子妨害装置):
航空機への命中精度に与える補正値であり、ECMの数値(%)が高ければ高いほど、ミサイル・機関砲の回避率が高まる
航空機に対する命中率の計算式
命中率=基本精度×(1+練度補正)×(1-ECM)