コマンドユニットは何を使えばいいか?
「今回は、前回に引き続き、コマンドユニットについてお話します」
「ねえ、ゆかりん。コマンドユニットって、いろいろな種類があるから何を選んだらいいか迷うよね」
「コマンドユニットの選び方ですが、基本的には、生き残ることを第1に考えて選ぶといいです」
「生き残ることを第1に考えるの?」
「なぜなら、コマンドユニットは特に敵に狙われやすく、見つかると敵の集中砲火を受けます。だから、初心者は足の速いコマンド車両を使うことをお勧めします」
「自衛隊デッキなら、高機動車の疾風が扱いやすく、足も速いので初心者向けだと思います」
(↓)自衛隊の疾風(指揮車両)は路上速度150キロ、路外速度80キロなので、いざというときの逃げ足も速くてお勧めです。
「また、82式指揮通信車もお勧めですね。82式指揮通信車は路外速度が100キロもあり、また装甲も有するので何より安心感が違います」
(↓)自衛隊の82式指揮通信車(指揮車両)は路上速度150キロ、路外速度100キロな上に、装甲1なのでこちらも初心者にお勧めです。
「でも、たった1の装甲じゃん。そんなのなくても同じじゃない?」
「マキさん! 装甲1だからといって、ナメたらいけません! 装甲1を笑うものは、装甲1に泣きます!」
「そういうものなの? 装甲があるのとないのとでは、どう違うの?」
「一言でダメージといっても、目標に与えるダメージは、KE(運動エネルギー)弾、HE弾(榴弾)、HEAT(成形炸薬)弾、小火器のいずれで攻撃するかによって異なります」
「まず、KE弾が与えるダメージは、次の表1のようになっています」
(↓)表1:Vasily Krysov氏によるKEダメージ表。縦は装甲値、橫はAP値の大きさを表し、表の数字は、目標が失うHPを表しています。例えば、AP3の装甲車から攻撃を受けたとき、装甲0に対しては6HP、装甲1に対しては3HPのダメージを受けます(Dropbox - WargameRD_Hidden_Knowledge_Spreadsheet.xlsから引用)
「この表1から分かるように、KE弾による攻撃を受けたとき……」
装甲0よりも装甲1のほうが
失うHPが半分で済む
「……ことがわかります」
「ほんとだ! たった装甲1の違いにすぎないのに、ダメージが半減してるじゃん!」
「一方、HE弾が与えるダメージは、次の表2のようになっています」
(↓)表2:Vasily Krysov氏によるHEダメージ表。縦は装甲値、橫の1HEごとのHE弾および小火器のダメージの大きさを表します。例えば、装甲7に対して10HEは、1HPのダメージを与えます。
「この表2から分かるように、HE弾による攻撃を受けたとき、小火器以外の攻撃のダメージには差がありません。
「ちなみに……」
砲撃や爆撃によるHE弾のダメージは
装甲0の場合も装甲1の場合も全く同じ
「……なので、装甲1にしてもあまり意味がないことがわかります」
「クラスター弾以外の砲撃や爆撃に対しては、装甲2以上になって初めて意味のある数字となります」
「なるほど」
「一方、小火器による攻撃を受けたとき、装甲1のほうが装甲0の場合よりも……」
わずか10分の1のダメージで済む
「……ことがわかります」
「ダメージが10分の1だって! それじゃ、歩兵の攻撃を受けたときに大きく違いが出るじゃん!」
「そうですね。装甲1のコマンド車両は、歩兵に追い詰められそうになったときに、装甲0のコマンド車両よりも生存率が高いです」
「最後に、HEAT弾が与えるダメージは、次の表3のようになっています」
(↓)表3:Vasily Krysov氏によるHEATダメージ表。表の見方は、KEダメージ表と同じです。
「この表3から分かるように、HEAT弾による攻撃を受けたときも、KE弾による攻撃を受けたときと同様に、装甲0のときよりも装甲1のときのほうが、失うHPが半分で済むことがわかります」
「これから……」
クラスター弾の攻撃に対しても
装甲1が装甲0よりもかなり有効である
「……ことがわかりますね」
「以上から、装甲0と比較した装甲1のダメージの違いについてまとめると、次のようになります」
まとめ:装甲0と比較した装甲1のダメージの違い
1.KE弾、HEAT弾によるダメージが半減する
2.HE弾(小火器以外)によるダメージは同じ
3.HE弾(小火器)によるダメージは10分の1になる
「なるほど、たった1の違いなのに、えらく差が出るんだね」
「ようやく納得できましたか? 装甲1を馬鹿にしてはいけませんよ!」
「わかったよ。ゆかりん」
「ところで、82式指揮通信車のような武器を搭載したコマンドユニットを使う際に気をつけなければならないポイントは、武装をオフにしておくことを忘れないようにすることです」
「ユニットを選択したときに、搭載武器のアイコンが画面の下に表示されますが、これを左クリックすることによって、武装をオフにすることができます」
(↓)武装を搭載したコマンドユニットを使うときは、忘れずに武器アイコンを左クリックして武装をオフにしておくといいです。
「え! せっかく武器があるのに、なんでわざわざ武装をオフにするの!」
「マキさん。コマンドユニットの最優先目的は、戦うことではなく、敵に見つからずに最後まで生き残ることです」
コマンドユニットの最優先目的
敵に見つからずに最後まで生き残ること
「だから、敵に見つかったときに勝手に交戦せず、素早く逃げられるように、あらかじめ武装をオフにしておくのです」
「なるほど。コマンドユニットの役割はよく分かったよ」
「でもさ。コマンド戦車ってあるじゃん。アレなんかいかにも堅くて強そうで攻撃用のユニットに思えるんだけど」
(↓)74式戦車(指揮車両)。もともと戦車なので攻撃力も装甲も高いです。
「マキさん。コマンド戦車は、もともと戦車なので確かに強いですが、これも攻撃用のユニットではありません」
「攻撃用のユニットじゃないって、それじゃなんで武装がついているんだ?」
「コマンド戦車は、敵の指揮ゾーンに強襲をかけたときに、敵の指揮ゾーンを強引に奪うために使うものです」
(↓)コマンド戦車は、敵の指揮ゾーンに強襲をかけたときに、敵の指揮ゾーンを強引に奪うために高い戦闘力を有しています。
(↓)敵の指揮ゾーン内に強引に入りこむことにより、指揮ゾーンを中立化し、敵の増援ユニットの供給をストップさせることができます。
「これがコマンド戦車の一般的な使い方ですね。コマンド戦車はそれ自体高い戦闘力を有するので、多少の攻撃を受けても他のコマンドユニットよりは生存性が高いです」
「ですが、十分な護衛部隊に守られて初めて、コマンド戦車を活用することができます」
「それゆえ、コマンド戦車は上級者向けですね。装甲値は高いですが、敵に見つかったときの逃げ足もそれほど速くないので、初心者は使うのを避けたほうがいいです」
「また、コマンドヘリも、初心者にはお勧めできません」
「どうしてなの?」
「コマンドヘリは、移動速度が速いため、指揮ゾーンの早期確保には適していますが、ステルス性が低い上に森の中に隠せないため、敵に見つかりやすいという欠点があり、初心者には扱いが難しいからです」
(↓)コマンドヘリは移動速度が速いため、指揮ゾーンの早期確保には適していますが、ステルス性が低い上に森の中に隠せないため、敵に見つかりやすいという欠点があり、初心者には扱いが難しいです。
「それじゃ、ゆかりんはコマンドユニットに何を使ってるの?」
「私ですか? 私はコマンド歩兵が好きですね」
「コマンド歩兵は、降車・降機が必要であり、慣れるまではちょっと大変ですが、降車・降機に慣れれば、こちらのほうがステルス性が高いので敵に見つかりにくく、隠すのに最適です。」
(↓)コマンド歩兵は、降車・降機が必要であり、慣れるまではちょっと大変ですが、降車・降機に慣れれば、こちらのほうがステルス性が高いので敵に見つかりにくく、隠すには最適です。
「ただし、コマンド歩兵は……」
敵に見つかれば確実に死ぬ
「……ので、隠し場所に十分に注意する必要があります」
「そんな、見つかったら確実に死ぬって……。せめて捕虜とかならないの?」
「マキさん。残念ながら、Wargame: Red Dragonには、捕虜の概念がありません」
「捕虜をとらないなんて、いくらなんでも酷すぎるよ……」
「というわけで、今回のレクチャーのまとめです」
まとめ:コマンドユニットのお勧め順
コマンド車両:安くて逃げ足も速く、初心者に扱いやすい
コマンド歩兵:ステルスが良好で、敵に見つかりにくいが、歩兵の降車・降機に慣れる必要あり。また、敵に見つかると確実に死ねる。
コマンド戦車:敵のセクターを強引に占領するために用いる。上級者向け
コマンドヘリ:速度が速いが森の中に隠せないため、敵に見つかりやすく、扱いが難しい。上級者向け
「あたしは素直にコマンド車両にしとくよ」
「というわけで、次回はコマンドユニットの隠し場所についてレクチャーしますね」
「 みんな、この講座が役に立ったら、下のスターをポチってね!」