対空ユニットの配置の仕方
「みなさん、こんにちは。前回は、防空網の構築の仕方についてレクチャーしました」
「今回の初心者向けWargame: Red Dragon(以下、Wargame: RD)攻略チュートリアルでも、ひきつづき、対空ユニットの配置の仕方についてレクチャーしたいと思います」
「マキさん、何か質問はありますか?」
「ねえ、ゆかりん。射程3,325mの短SAMで、射程2,800mのMi-28を攻撃しようとするんだけど、なぜか返り討ちにあってしまうんだよね」
「初心者のうちは、そういうことって意外によくありますね」
「マキさん、ひょっとして、マップの配置もろくに確認せずに、いきなりぶっつけ本番で戦ってません?」
「あたしはいつもぶっつけ本番だけど」
「だからダメなんです」
「どーゆーことよ!」
効率的な防空には、適切な距離感をつかむことが大事
「効率的な防空には、適切な距離感をつかむことが何よりも大切です」
「適切な距離感?」
「例えば、マップTropic Thunderの場合、下図に示す細い畦道から対岸の道路までの距離は約3,200mです」
「それゆえ、対ヘリ射程3,325mの短SAMを畦道の少し後方に配置しておいて、敵のヘリを見つけ次第、攻撃移動(アタックムーブ)コマンドを使って前進させることで、その最大射程を存分に活かすことができます」
(↓)マップTropic Thunderの場合、下図に示す細い畦道から対岸の道路までの距離は約3,200mです。対ヘリ射程3,325mの短SAMを畦道の少し後方に配置しておいて、敵のヘリを見つけ次第、攻撃移動(アタックムーブ)コマンドを使って前進させることで、その最大射程を存分に活かすことができます。
「Mi-28などの攻撃ヘリは、射程2,800mもの対戦車ミサイルを有するので、この距離感をつかみそこねると、短SAMの長射程を活かすことができず、逆に返り討ちにあってしまいます」
「短SAMとMi-28とは射程が500mくらいしか違わないから、あまり近づきすぎるとたしかに危険だよね」
「上級者は、どれだけ近づいたら安全で、どれだけ近づいたら危険かということを数多くのプレイ経験から身につけています」
「一方、初心者はプレイ経験が浅いので、どれだけ近づけたらいいか分からず、往々にして距離感をつかみそこねて自滅する傾向にあります」
「長射程の非レーダーSAMが敵の攻撃ヘリにやられるという人は、多くの場合、正しい距離感をつかんでない場合が多いです」
「また、初心者がすぐにヘリを撃墜させてしまうのも、そのほとんどが目標までの適切な距離がつかめていないためです」
「このように、初心者がなかなか成果をあげられない理由の1つに……」
適切な距離を把握していないため
必要以上に敵に近づきすぎてしまう
「……というものがあります」
「そうなんだよね……。こういう初心者特有の悩みって、当たり前すぎるのか、普通の攻略動画や攻略記事には全然書いてないから困るのよ」
「上級者に尋ねても、なんでそんな当たり前のことに悩むんだよって逆に説教されちゃうし……」
「上級者は豊富なプレイ経験から適切な距離感が感覚的に身についているので、そういう初心者特有の悩みはなかなか理解できないのだと思います」
「どうすればいいのよ、ゆかり〜ん!」
「この問題を克服するには、上級者のようにとにかく何十回・何百回とプレイしまくって距離感を身につけるのが一番ですね。何度も死んで覚えるうちに、安全な距離が分かってきます」
「何度も死んで覚えるなんて、豆腐メンタルのあたしには到底無理!」
「仕方がないですね……それじゃ、とっておきの方法を教えます」
「ほんと! さすが、ゆかりん! スパルタ教育の上級者と違って、初心者の味方だね!」
「もう1つの対策としては、事前に一人スカーミッシュでマップの距離を測って正しい距離感をつかんだ上で、どの位置に対空ユニットを配置するかあらかじめ決めておく方法があります」
上級者はどれだけ近づいたら安全で、どれだけ近づいたら危険かということを数多くのプレイ経験から感覚的に身についている。
一方、初心者はプレイ経験が浅いため、適切な距離をつかみそこねて自滅する傾向が高い
↓
事前に一人スカーミッシュでマップの距離を測って正しい距離感をつかんだ上で、どの位置に対空ユニットを配置するかあらかじめ決めておく
距離の計測方法
「でも、ゆかりん。目標までの距離ってどうやったらわかるの?」
「距離の計測方法ですが、左クリックでユニットを選択した後、定点射撃(FIRE POS)コマンド(デフォルトキーは"T")を押すと、水色の照準とともに、ユニットから照準までの距離が表示されます」
距離の計測方法
左クリックでユニットを選択した後、定点射撃(FIRE POS)コマンド(デフォルトキーは"T")を押すと、水色の照準とともに、ユニットから照準までの距離が表示される
(↓)左クリックでユニット(図では87式偵察警戒車)を選択した後、定点射撃(FIRE POS)コマンド(デフォルトキーは"T")を押すと、下図のような水色の照準とともに、ユニットから照準までの距離(図では652m)が表示されます。ただし、武装がミサイルのみのユニットの距離を測ることはできないので、武装が砲・機関砲・機関銃のユニットで計測するようにしましょう。
「また、定点射撃コマンドは、照準までの距離の情報だけでなく、照準まで射線が通るか通らないかを知ることもできます」
「へえ、射線が通るかどうかまでわかるんだ」
(↓)射線が障害物に遮断されて射線が通らない場合、下図のように『射線不通』と赤字で表示されます。このとき、障害物に遮断されるまでの射線は実線で表され、障害物に遮断された後の射線は破線で表されます。
「上図では、手前の建物に射線が遮断されているため、その向こう側の射線が破線で表示されていることがわかります」
「なるほど」
「それだけではありませんよ。照準位置が射程内か否かを知ることもできます」
(↓)射線が障害物に遮断されない場合であっても、搭載武器の射程外にある場合は、下図のように『射程外』と赤字で表示され、射程外の射線が半透明に表示されます。
「上の図では、射程外の射線が半透明で表されるので、いちいちユニットの射程を確認しなくても、射程外か否かを直観的に知ることができます」
(↓)また、下図のように『射線不通』や『射程外』の文字と距離情報が交互に表示されるので、射線不通の場合や射程外の場合であっても距離を知ることができます。
「目標までの距離だけでなく、射線が通るか通らないか、射程内か否かまでわかるなんて、定点射撃コマンドって、とても便利な機能だね」
「そうですね。定点射撃コマンドを使わないのは損ですね」
「戦闘中に距離感が分からなくなったら、定点射撃コマンドを押すといいですね。ただし、定点射撃コマンドを押した後、目標を左クリックすると、ユニットが照準内のエリアに対して攻撃を行ってしまうので気をつけて下さい」
定点射撃(FIRE POS)コマンドを押した後、目標を左クリックすると、ユニットが照準内のエリアに対して攻撃を行う
「定点射撃コマンドって、エリア攻撃のためのコマンドなんだ」
「そうですね。定点射撃コマンドは、敵ユニットの有無にかかわらず、照準内のエリアに対して攻撃を行うので、敵を視認していない場所の爆撃や砲撃、火炎放射攻撃などに使うことができます」
「また、爆撃機は、爆撃前に目標を見失ってしまうと、帰還せずにそのまま飛行を続けてしまって、しばしば敵の対空ユニットの餌食になってしまいます」
「それゆえ、目標エリアを確実に攻撃してからすぐに帰還できるように、定点射撃コマンドで爆撃目標のエリアを指定しておくといいですね」
定点射撃コマンドの活用法
定点射撃コマンドは、敵ユニットの有無にかかわらず、照準内のエリアに対して攻撃を行う
↓
敵を視認していない場所の爆撃や砲撃、火炎放射攻撃などに使う
爆撃機は、爆撃前に目標を見失ってしまうと、帰還せずにそのまま飛行を続けてしまって、しばしば敵の対空ユニットの餌食になる
↓
定点射撃コマンドで爆撃目標のエリアを指定しておく
対航空機用の対空ユニットの配置方法
「ところで、ゆかりん。改良ホークやGUNTANKの位置も、ミサイルや機関砲の最大射程内にEchoの市街地が入るように距離を測っておくの?」
「できれば、ミサイルや機関砲の最大射程内に防衛地域が入るようにするのが理想的です」
「ですが、レーダー対空ユニットはSEAD機に狙われやすいので、森林内や農地の生垣内に隠せそうにないなら、ミサイルや機関砲の最大射程に防衛地域が入らないような後方に配置しても構いません」
「え! 射程外に配置して意味あるの!?」
「射程外でも全然問題ありません。というのも、Wargame: RDにおいて……」
航空機が攻撃を開始するとき、
目標までの直線ルートをまっすぐ飛行する
「……という性質があります」
「この性質のため、防衛地域の後方にレーダー対空ユニットを配置しておけば、射程外であっても航空機のほうから勝手に対空ユニットの射程内に突っこんできてくれます」
(↓)Wargame: RDにおいて、航空機が攻撃を開始するとき、目標までの直線ルートをまっすぐ飛行する、という性質があります。この性質のため、防衛地域の後方にレーダー対空ユニットを配置しておけば、射程外であっても航空機のほうから勝手に対空ユニットの射程内に突っこんできてくれます。
「だから、航空機が相手の場合は、あまり射程に神経質になる必要はありません。なので、レーダー対空ユニットは、なるべく森林内や農地の生垣等に隠すことを第一に考えるといいですね」
ミサイルや機関砲の最大射程内に防衛地域が入るようにするのが理想的
↓
防衛地域の後方にレーダー対空ユニットを配置しておけば、射程外であっても航空機のほうから勝手に対空ユニットの射程内に突っこんでくるので、森林内や農地の生垣等に隠すことを第一に考えるとよい
「なるほど。航空機が攻撃時に目標まで直進飛行するという性質を考慮して、対空ユニットを配置するんだね」
開けた場所における視界とステルスの関係
「でも、ゆかりん。短SAMを開けた場所に配置して大丈夫なの? 敵から砲撃されないか心配だよ」
「Echoの市街地の近くには、短SAMを隠すのに最適な森林や農地の生垣が少ないので、仕方なく開けた場所に配置しています」
「ですが、敵に偵察ユニットや歩兵など、視界が良好以上のユニットがなければ、開けた場所に配置していても、敵から3,000m離れていれば、敵に発見されることはないので大丈夫です。実際、下の2つの図を見比べてみてください」
(↓)対岸の開けた場所に、短SAM×2を堂々と配置しています。
(↓)しかしながら、敵に偵察ユニットや歩兵など、視界が良好以上のユニットがなければ、開けた場所に配置していても、敵から3,000m離れていれば、敵に発見されることはありません。下図は、上図と同じ配置を、敵側の視点から見た図です。
「ほんとだ! 開けた場所にステルスが劣悪の短SAMを堂々と配置しているのに、全然見えてないよ!」
「下の図は、海外の有志が作成した開けた場所における視界とステルスの関係図です」
(↓)海外の有志~W~a~t~e~r~氏による開けた場所における視界とステルスの関係図の一部翻訳。画像を左クリックすると拡大図が得られます。
「この図は、左上から時計回り順に、『非常に良い』、『劣悪』、『良好』、『最良』の視界をもつユニットで見たときの開けた場所における視界とステルスの関係を表した図です」
「また、四分円は半径の小さいほうからそれぞれ、『最良』、『非常に良い』、『良好』、『普通』、『劣悪』のステルスを有するユニットを見たときに、敵のユニットが見えるようになるまでの距離を表したものです」
「例えば、視界が『劣悪』のユニットで見た場合は、上図の右下の四分円を見ます。このとき、短SAMはステルスが『劣悪』なので、一番半径の大きい四分円を見ると、『R2100m』と書かれていることがわかります」
「これから、視界が『劣悪』のユニットは、少なくとも2,100mの距離まで近づかないと、ステルスが『劣悪』の短SAMを見ることができないということが分かります」
「視界が『非常に良い』ユニットでも、3,500mまで近づかないと、ステルスが『劣悪』のユニットを見ることができないんだね」
「そうですね……」
敵に視界が『最良』のユニットがいなければ
敵から3,600m離れた開けた場所を堂々と
移動しても敵からまったく見えません
「それゆえ、敵から十分に離れた後方地域なら、開けた場所に堂々とコマンドユニットを配置しても、敵に視認されることはありません」
「開けた場所に堂々とコマンドユニットを配置しても、敵に視認されないってマジ!?」
「それゆえ、小規模な森林や市街地しかないマップの場合は、敵の砲撃を避けるため、あえて平地にコマンドユニットを置くのも有効ですね」
「平地にコマンドユニットを置くなんて、よもや想像もできないわね」
「だから盲点になるんです」
「また、ステルスが『最良』の2人組の偵察特殊部隊は、敵に視界が『非常に良い』偵察歩兵がいたとしても、敵に2,000mまで近づかなければ、開けた場所を堂々と移動しても発見されない、ということもわかります」
「え! 2人組の偵察特殊部隊だと、敵の偵察歩兵に2キロまで近づいても大丈夫なんだ!」
「このように、開けた場所における視界とステルスの関係図をよく見て、どこまで近づいたら敵に見つからないか、おおまかな距離感をつかんでおくといいですね」
「あたし、てっきり開けた場所を移動したら、必ず敵に見つかるものとばかり思ってたよ……。上の関係図を見て、敵にどこまで近づいたら安全か、しっかりと勉強しないといけないわね」
「というわけで、今回の初心者向けWargame: RD攻略チュートリアルのまとめです。みなさん、お疲れ様でした」
まとめ
上級者はどれだけ近づいたら安全で、どれだけ近づいたら危険かということを数多くのプレイ経験から感覚的に身についている。
一方、初心者はプレイ経験が浅いため、適切な距離をつかみそこねて自滅する傾向が高い
↓
事前に一人スカーミッシュでマップの距離を測って正しい距離感をつかんだ上で、どの位置に対空ユニットを配置するかあらかじめ決めておく
距離の計測方法
左クリックでユニットを選択した後、定点射撃(FIRE POS)コマンド(デフォルトキーは"T")を押すと、青い照準とともに、ユニットから照準までの距離が表示される
定点射撃コマンドの活用法
定点射撃(FIRE POS)コマンドを押した後、目標を左クリックすると、ユニットが照準内のエリアに対して攻撃を行う
定点射撃コマンドは、敵ユニットの有無にかかわらず、照準内のエリアに対して攻撃を行う
↓
敵を視認していない場所の爆撃や砲撃、火炎放射攻撃などに使う
爆撃機は、爆撃前に目標を見失ってしまうと、帰還せずにそのまま飛行を続けてしまう
↓
定点射撃コマンドで爆撃目標のエリアを指定しておく
ミサイルや機関砲の最大射程内に防衛地域が入るようにするのが理想的
↓
防衛地域の後方にレーダー対空ユニットを配置しておけば、射程外であっても航空機のほうから勝手に対空ユニットの射程内に突っこんでくるので、森林内や農地の生垣等に隠すことを第一に考えるとよい