ECMが50%以上のチート航空機を楽々撃墜する方法その1
「皆さんこんにちは、前回は対空ユニットの配置の仕方についてレクチャーしました」
「今回の初心者向けWargame: Red Dragon(以下、Wargame: RD)攻略チュートリアルでは、引き続き、効果的な防空網の構築法についてレクチャーします」
「マキさん、何か質問はありますか?」
「ねえ、ゆかりん。航空機の中に、ミサイルが全然当たらないチート航空機があるんだけど……」
「チート航空機?」
「ソ連軍のSu-27Mっていう航空機なんだけど、なぜかこの航空機だけいつもミサイルの雨の中を余裕ですりぬけてしまうんだよね」
「Su-27M? ああ、Su-27MはECMが50%もあるので、ミサイルの回避率が高いんです」
「ECMって?」
「ECM(Electric Counter Measures。電子妨害装置)は、航空機への命中精度に与える補正値で、ECMの数値(%)が高ければ高いほど、ミサイルおよび機関砲の回避率が高まります」
ECM(Electric Counter Measures。電子妨害装置):
航空機への命中精度に与える補正値であり、ECMの数値(%)が高ければ高いほど、ミサイルおよび機関砲の回避率が高まる
「例えば、ナパーム攻撃機のYAK38のECMは0%であるのに対し、マルチロール機のSu-27MのECMは50%であり、後者のほうが前者よりもはるかにミサイルの回避率が高いです」
(↓)マルチロール機のSu-27MのECMは50%であり、ECMが0%の航空機よりもはるかにミサイルの回避率が高くなります。
「なお、航空機のECMに相当するのが、地上ユニットやヘリのサイズです」
(↓)サイズは、艦船と航空機を除く、歩兵を含む全てのユニットに適用される命中精度の補正値です。例えば、サイズが極小のユニットは、サイズが普通のユニットよりも-10%命中させにくくなります。
「サイズが小さいと命中率が下がるのね。発見されにくくもなるのかな?」
「いえ、サイズはユニットを発見する距離とは無関係です。サイズが極小のユニットも、サイズが大のユニットも、ユニットを発見するのに必要な距離は同一なので、注意してくださいね。
サイズ:
艦船と航空機を除く、歩兵を含む全てのユニットに適用される命中精度の補正値です。例えば、サイズが極小のユニットは、サイズが普通のユニットよりも-10%命中させにくくなります。
ただし、サイズはユニットを発見する距離とは無関係です。サイズが極小のユニットも、サイズが大のユニットもユニットを発見するのに必要な距離は同一です。
(↓)自衛隊のNinja(OH-1)は、サイズが極小であるため、命中率が10%も下がります。
対空ユニットの命中率の計算例
「でも、ゆかりん。ECMによって具体的にどれくらい回避率が高くなるの?」
「ECMによるミサイルの回避率を実感してもらうために、練度が猛者(hardened)の改良ホークからミサイルを撃たれた場合を想定してみましょう」
(↓)改良ホークの精度は50%ですが、練度が猛者(hardened)の場合、16%の精度ボーナスがあります
「海外の有志の研究によると、航空機に対する命中率は、以下の計算式に従うものと推定されています」
航空機に対する命中率の計算式
命中率=基本精度×(1+練度補正)×(1-ECM)
「ただし、上式はあくまで推定によるものであり、基本精度が高くなるほど経験値からはずれることが知られています。それゆえ、上式はあくまで目安と思ってください」
「上の命中率の式を使うと、練度が猛者(練度補正+16%)の改良ホークが、ECM0%のYAK38を攻撃した場合、ミサイルの命中率は次のようになります」
計算例
練度が猛者(練度補正+16%)の改良ホークが、ECM0%のYAK38を攻撃した場合
ミサイルの命中率=50%×(1+0.16)×(1-0)=58%
「あれ。練度補正って、単純な足し算じゃなかったのね。てっきり50%+16%で66%になるものと思ってた」
「上式のように、練度補正は単純な足し算ではなく、基本精度に練度補正をかけた値を基本精度に足す計算となっているので注意してください」
(↓)練度補正は単純な足し算ではなく、基本精度に練度補正をかけた値を基本精度に足します。例えば、練度が精鋭(練度補正+32%)の改良ホークが、ECM0%のYAK38を攻撃した場合、ミサイルの命中率は82%ではなく、50%×(1+0.32)×(1-0)=66%となります。
「まったく、Eugen Systemsって、そういう基本的なことも教えてくれないんだから!」
「Wargame: RDのチュートリアルはやる気がないので、仕方がないですよね……。実はあのチュートリアル、海外でも全然役に立たないので、実際のプレイで何度も死んで覚えるしかないって、散々酷評されているみたいです」
「あのチュートリアルって、外人ゲーマーの間でも評判悪いんだね……」
「さて、計算の続きをしましょう。練度が猛者の改良ホークが、ECM50%のSu-27Mを攻撃した場合、ミサイルの命中率は次のようになります」
練度が猛者の改良ホークが、ECM50%のSu-27Mを攻撃した場合
ミサイルの命中率=50%×(1+0.16)×(1-0.5)=29%
「それゆえ、練度が猛者の改良ホークは、ECM0%のYAK38を58%の確率でミサイルを命中できるのに対し、ECM50%のSu-27Mに対しては、わずか29%の確率でしかミサイルを命中できないことがわかります」
「命中率がたったの30%もないなんて! そんなに命中率が低かったら、ECMの高い航空機を落とせないじゃん! どうすればいいのよ!」
ECMの高い航空機に有効な対空ユニット
「マキさん、そんなにあわてなくても、ちゃんと対策はありますよ」
「対策?」
「ええ。Su-27MのようなECMの高い航空機には、GUNTANK(87式自走高射機関砲)のような対空機関砲が有効です」
「え! そうなんだ! 対空機関砲には、ECMがきかないの?」
「いえ。Wargame: RDにおけるECMは、サイズ補正に相当する精度補正なので、レーダー・非レーダー・SAM・対空機関砲を問わず、全ての対空ユニットの攻撃に対して等しく適用されます」
「それじゃ、どうして対空機関砲がECMの高い航空機にも有効なのよ?」
「対空機関砲は、1発当たりの命中率は他の対空SAMと変わりはありませんが、連射速度が高いため、ECMの高い航空機に対しても多数の弾丸を命中させることができるのです」
「例えば、練度が猛者のGUNTANKが、ECM50%のSu-27Mを撃ったとき、1発当たり約32%の確率でしか機関砲弾を命中できません」
「しかしながら、GUNTANKは、毎分793発もの連射速度を有するため、Su-27Mに対しても毎分793*0.32=254発、すなわち……」
1秒間に約4発もの弾丸を
命中させることができる
「……のです」
(↓)GUNTANK(87式自走高射機関砲)は、毎分793発もの連射速度を有するため、ECMの高い航空機にも多数の弾丸を命中させることができます。
「なるほど。どんなに命中率が低くても……」
発射速度が速いから
数撃ちゃ当たる
「……ってわけね!」
「そうですね」
「実は、海外のWargamerのバイブル『200-Page Guide to Wargame: Red Dragon』には……」
対空機関砲のもっと奥深い活用法
「……が記載されているのですが、これについては次のチュートリアルで説明します」
「対空機関砲の奥深い活用法?」
「この活用法の基礎となった原理は、もしかすると、上級者の中にも知らない人がいるかもしれません」
「上級者も知らない情報って、なんだかとても興味深いね」
「というわけで、今回の初心者向けWargame: RD攻略チュートリアルのまとめです。みなさん、お疲れ様でした」
まとめ
ECM(Electric Counter Measures。電子妨害装置):
航空機への命中精度に与える補正値であり、ECMの数値(%)が高ければ高いほど、ミサイルおよび機関砲の回避率が高まる
サイズ:
艦船と航空機を除く、歩兵を含む全てのユニットに適用される命中精度の補正値です。例えば、サイズが極小のユニットは、サイズが普通のユニットよりも-10%命中させにくくなる。
ただし、サイズはユニットを発見する距離とは無関係です。サイズが極小のユニットも、サイズが大のユニットもユニットを発見するのに必要な距離は同一です。
航空機に対する命中率の式
命中率=基本精度×(1+練度補正)×(1-ECM)