視界とステルスの関係について考察してみた
Wargameシリーズ公式フォーラムで、視界とステルスの関係について考察した図が紹介されているらしい。
右下の枠内を適当に翻訳してみた。
森/生け垣(300m未満の深さ)
市街地
P: 劣悪ステルス
M: 普通ステルス
G: 良好ステルス
VG: 非常に良いステルス
Ex: 最良ステルス
この図は、最良、非常に良い、および良好の視界の比較と、どのくらい離れれば、森の縁/生け垣内に位置するステルス状態の異なるユニットを発見することができるかを示すものである。
最良のヘリの視界は、700m以内から深い森の中にいるどんなユニットも見ることができる。
普通の視界(戦車等)は、森の縁または生け垣の中にいる良好のステルス(歩兵の最も低いステルス状態)のユニットを500m未満まで、すなわちRPG射程の最短距離まで見ることができない。
上の解説だけでは、いまいちピンと来ないと思うので、適当に解説してみる。
図の上半分は、森の中300m未満の深さに隠れたステルス状態のユニットを見る場合を表し、扇状に区分された領域は、左から順にそれぞれ、最良(Ex)→非常に良い(VG)→良好(G)→普通(M)→劣悪(P)のステルス状態を表す。また、3つの円弧は、内側から順にそれぞれ、良好→非常に良い→最良の視界を表す。
図の下半分は、市街地に隠れたステルス状態のユニットを見る場合を表し、扇状に区分された領域は、左から順にそれぞれ、良好(G)→非常に良い(VG)→最良(Ex)のステルス状態を表す。また、3つの円弧は、内側から順にそれぞれ、良好→非常に良い→最良の視界を表す。
なお、市街地において、普通・劣悪の2つのステルス状態が除外されているが、これは、戦車や車両などの普通・劣悪のステルス状態をもつユニットは、市街地に隠れることができないためと考えられる。
ここで、具体例をあげてみよう。
例えば、我が自衛隊のOH-1 ニンジャのような視界最良の偵察ヘリが森の中にいるユニットを探しだそうとしているものとする。
一方、憎っくきソ連の対空歩兵PZRK IGLA-NがIgla-Nミサイルを持って市街地に潜んでいたとしよう。この2人組の対空歩兵は、非常に良い(VG)ステルス状態にある。
この場合、市街地なので、図の下半分を見ることになる。視界最良の場合、水色の円弧状のラインを見ていけば良いことになる。すると、視界最良のニンジャが非常に良いステルス状態のPZRK IGLA-Nを視認可能な距離は『825m』であることがわかる。
したがって、OH-1 ニンジャは最低825mの距離まで近づかなければ、市街地に籠もった対空歩兵を見ることができないというわけだ。一方、Igla-Nミサイルの対ヘリ射程は2450mもある。
結論:市街地に近づく偵察ヘリはカモ
ということになる。
ある日 森の中 ツングースカに 出あった
それでは、憎っくきソ連の対空車両2K22 TUNGUSKA-Mが森林の中に潜んでいた場合はどうだろうか。2K22 TUNGUSKA-Mは、劣悪のステルス状態をもつ。これなら市街地に籠もった対空歩兵と違って、発見は容易かもしれない。
この場合、森林なので、図の上半分を見ることになる。視界最良の場合、水色の円弧状のラインを見ていけば良いことになる。すると、視界最良のニンジャが劣悪のステルス状態の2K22 TUNGUSKA-Mを視認可能な距離は『2750m』であることがわかる。
したがって、OH-1 ニンジャは最低2750mの距離まで近づかなければ、森林内に潜んだ2K22 TUNGUSKA-Mを見ることができないというわけだ。一方、2K22 TUNGUSKA-Mの機関砲Twin 2A38Mおよび対空ミサイル9M311Mの対ヘリ射程は、それぞれ2800mおよび3325mもある。
つまり、
結論:森林に近づく偵察ヘリもカモ
ということになる。
どないせーっちゅうねんっ!!
いや、ここはひとつ冷静になろう。結局、想定される対処法は2つ考えられる。
対処法1:
視界最良といえども高級偵察ヘリを市街地・森林に近づけてはいけない
ニンジャのような高級偵察ヘリは、数が少なくとても貴重な戦力なので、これらは前線の一歩後方に待機させて、進撃してきた敵の偵察&迎撃に専念させるのがいいだろう。
対処法2:
市街地・森林への偵察は、安歩兵・安偵察車・安いヘリにまかせる
安歩兵や安偵察車、安いヘリなら、敵に撃たれて死んだとしてもたかだか損失は知れているし、何より死ぬことによって、『敵戦力が市街地・森林に存在する』という貴重な情報を知らせてくれるのだ。仮に10円の安い歩兵が死んだとしても、
中村ぁぁぁ〜〜〜!!
お前の死は決して無駄にはしないぞぉぉぉ〜〜〜!!
靖国でまた会おう!!
という感じに安心して、作戦を続行することができるのだ。
わずか10円の中村小銃分隊と、90円のニンジャのどちらが重いか
よく考えてみるといい。ニンジャのほうが重いに決まってるじゃん(←おい)。